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テレワークではじめる働き方改革(全体版) 参考資料 | 働き方・休み方改善ポータルサイト

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(1)

テレワーク

はじめる

働き方改革

テレワークの

導入・運用

ガイドブック

モデル類型とは

1

2

3

4

5

6

7

テレワーク導入の

手順・推進体制

テレワーク実施のための

全体方針の決定

テレワーク

のための

ルールづくり

テレワーク

のための

ICT

環境づくり

安全なテレワークのための

セキュリティ対策

テレワーク推進のための

評価と改善

P.25

1

2

3

テレワークとは

我が国のテレワークを 取り巻く現状

テレワークの効果

P.11

P.13

P.07

はじめに

P.03

テレワークの活用で よくある Q&A テレワーク お役立ちリンク集

P.92

P.96

P.43

P.47

P.50

P.69

P.80

P.89

基礎編

実践編

実践編

実践編

実践編

実践編

実践編

(2)

1

はじめに

3

Ⅰ 基礎編

6

1.テレワークとは 7

2.我が国のテレワークを取り巻く現状 11

3.テレワークの効果 13

Ⅱ 実践編

24

第1章 モデル類型とは 25

1.「テレワークモデル実証事業」の効果 25

2.モデル類型における①テレワーク形態、②職種、③企業規模 27

3.モデル類型の選択 29

4.各モデル類型におけるICTシステム・ツール 32

※各モデル類型におけるICTシステム・ツールの説明 34

第2章 テレワーク導入の手順・推進体制 43

1.テレワーク導入のイメージ 43

2.導入のプロセス 44

3.推進体制の構築 45

第3章 テレワーク実施のための全体方針の決定 47

1.導入目的の明確化 47

2.基本方針の策定 48

3.社内の合意形成のポイント 49

第4章 テレワークのためのルールづくり 50

1.テレワーク実施範囲の検討 50

2.労務管理 54

3.導入のための教育・研修 67

(3)

2

テレワークではじめる働き方改革 ∼テレワークの運用・導入ガイドブック∼

第5章 テレワークのためのICT環境づくり 69

1.ICT環境導入のための手順 70

2.テレワーク環境の選択 71

3.テレワーク環境におけるシステム方式の選択 73

4.労務管理ツール 78

5.コミュニケーションツール 78

第6章 安全なテレワークのためのセキュリティ対策 80

1.ルールによるセキュリティ対策 80

2.技術的なセキュリティ対策 83

3.物理的なセキュリティ対策 88

第7章 テレワーク推進のための評価と改善 89

1.評価の仕方 89

2.改善の仕方 91

テレワークの活用でよくあるQ&A

92

(4)

3

はじめに

 テレワークは、『ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用でき

る柔軟な働き方』です。

 近年、スマートフォン、タブレット端末等の情報通信機器が発達するとともに、

通信サービスについても、ブロードバンドサービスが普及し、運用コストやセキュ

リティ確保の課題も解決されつつあり、テレワークを取巻く環境は、飛躍的に変化

しています。

 テレワークは、企業や従業員にとって以下のようなメリットがあります。

企業にとってのメリット

従業員にとってのメリット

人材の確保・育成

業務プロセスの革新

事業運営コストの削減

非常時の事業継続性(BCP)

の確保

企業内外の連携強化による事業

競争力の向上

人材の離職抑制・就労継続支援

企業ブランド・企業イメージ

の向上

ワーク・ライフ・バランスの

向上

生産性の向上

自律・自己管理的な働き方

職場との連携強化

仕事全体の満足度向上と労働意欲

の向上

 本書は、厚生労働省と総務省が連携して実施した「テレワークモデル実証事業」

(3

年間)の結果としてとりまとめました。テレワークを導入するに当たって参考とな

るよう「テレワーク形態」「職種」及び「企業規模」によって8つのモデル類型を

設定した上で、モデル類型共通の知識・ノウハウ、モデル類型ごとに留意すべき知

識・ノウハウを盛り込んでいます。

 具体的には、テレワークによる効果、テレワークを導入した場合の労務管理の仕

方や労務管理ツールの活用方法、セキュリティ確保をしたICTシステム・ツールの

選択方法等やその手順を掲載しています。

 本書が、テレワークを導入する場合の手引書として、活用されることを期待して

います。

(5)

4

テレワークではじめる働き方改革 ∼テレワークの運用・導入ガイドブック∼  テレワークに関しては、「言葉は聞いたことがあるが、よく分からない」「メリットが分から

ない」「テレワークに適した仕事がない」「どのような手順で導入したらよいか分からない」と 感じる方もいらっしゃるかと思います。

 本書は企業などの経営者やテレワーク推進担当者に読んでいただくことを想定し、テレワー クの基礎知識や導入プロセス、ルールづくり、ICT 環境づくりなどを解説しています。

[本書が想定している読者]

■ 経営者

直面する経営課題(生産性向上、グローバル化の推進、オフィスコストの削減、優秀な人 材の採用・流出防止、BCP(事業継続性)の確保等)の解決に向け、テレワークがどのよ うに役立つかを理解し、自社の施策として導入・普及拡大を検討するために

■ テレワークの推進担当者 (経営企画担当、人事・総務担当、情報システム担当など)

テレワークの導入、普及拡大に当たり、実務的な知識やノウハウを習得し、実践につなげ るために

■ テレワークとは

テレ

Tele

ワーク

Work

(6)

5

 本ガイドブックは、「基礎編」「実践編」にわかれています。「基礎編」では、テレワークの 定義や本書の活用方法、現状や効果について紹介しています。「実践編」では、各モデル類型 共通の知識・ノウハウ、モデル類型ごとに異なる知識・ノウハウをご紹介しています。

「基礎編」       1.テレワークとは

テレワークの定義と在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務を紹介しています。 2.我が国のテレワークを取り巻く現状

政府で設定した普及目標や導入の状況、育児・介護期にある従業員の人財確保・維持に対 する期待及び政府の取組等について、紹介しています。

3.テレワークの効果

テレワークの効果を本モデル実証事業で行った調査を踏まえて、企業にとっての効果、従 業員にとっての効果を、具体的な事例を紹介しながら解説しています。

「実践編」       第1章 「モデル類型とは」

モデル類型ごとのICTツール・システム環境の推奨構成等をご紹介しています。 ※第2章から第4章、第6章、第7章は、モデル類型共通の知識・ノウハウをご紹介しています。  第5章は、特にモデル類型ごとに異なるICT環境づくりについてご紹介しています。

第2章 「テレワーク導入の手順・推進体制」

導入イメージ、対象者、導入のプロセス、推進体制の構築についてご紹介しています。

第3章 「テレワーク実施のための全体方針の決定」

導入目的の明確化、基本方針の策定、社内の合意形成のポイントについて述べています。

第4章 「テレワークのためのルールづくり」

実施範囲の検討、労務管理、導入のための教育・研修についてまとめています。

第5章 「テレワークのためのICT環境づくり」

ICT導入のための手順、現在のICT環境を確認し、コミュニケーションツール、労務管理ツー ル、情報共有ツールを理解します。

第6章 「安全なテレワークのためのセキュリティ対策」

テレワーク導入に伴い、必要なセキュリティ対策、ルールの整備、選択するテレワーク方 式に対応したセキュリティ対策を検討します。

第7章 「テレワーク推進のための評価と改善」

評価の方法や評価結果の事例、定期的な見直しなどPDCAサイクルについて解説します。

(7)
(8)

7

1

テレワークとは

基礎編

 テレワークとは、「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」 です。

 インターネットなどのICTを利用することで、本来勤務する場所から離れ、自宅などで仕事をす ることができます。さまざまな場所での柔軟な働き方は、「従業員の育児や介護による離職を防ぐ ことができる」「遠隔地の優秀な人材を雇用することができる」「災害時に事業が継続できる」など、 多くのメリットをもたらします。

 テレワークは、育児・介護等を行う一部の従業員のみに対する福利厚生策ではなく、会社全体の 働き方を改革するための施策の1つとして期待されています。

 なお、本書では、雇用型テレワークを対象としています。

■図表Ⅰ-1-1 テレワークの形態

在宅勤務

所属オフィス

モバイルワーク オフィス勤務サテライト

 テレワークは、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務(施設利用型勤務)」の 3つのテレワークの形態の総称です。いずれの場合も、テレワークは、所属するオフィスから離れ て仕事を行うため、始業・終業時刻など労働時間の管理方法などについて、適正なルールづくりを することが重要です。

(9)

8

テレワークではじめる働き方改革 ∼テレワークの運用・導入ガイドブック∼

在宅勤務(終日在宅勤務)

 終日、所属するオフィスに出勤しないで自宅を就業場所とする勤務形態です。オフィスに出勤し たり、顧客訪問や会議参加などによって外出したりすることがなく、1日の業務をすべて自宅の執 務環境の中で行います。通勤負担が軽減され、時間を有効に活用することができます。

 従業員のワーク・ライフ・バランスを実現する上で効果的です。

  育児・介護期の従業員がキャリアの継続を図ることができます。また、障がいなどによ り通勤が困難な従業員の就労継続にも効果的です。

 静かな環境を整えやすいため、集中して業務を行うことができます。

■ 図表Ⅰ-1-2 在宅勤務の利用時間(例)

通勤時間

勤務時間(勤務地)

通勤時間

在宅勤務時間(自宅)

自由な時間

自由な時間

Column Column

 柔軟な働き方の1つとして、部分在宅勤務という形態があります。一日の勤務時間のう ち、一部を自宅で行う勤務形態です。一度はオフィスに出勤するか、顧客訪問や会議参加 などによって自宅から外出する点が、終日在宅勤務と異なる点です。ただし、通勤時間削 減などの効果は減少します。

部分在宅勤務について

モバイルワーク

 移動中(交通機関の車内など)や顧客先、カフェなどを就業場所とする働き方です。営業など頻 繁に外出する業務の場合、様々な場所で効率的に業務を行うことにより、生産性向上の効果があり ます。テレワークでできる業務が広がれば、わざわざオフィスに戻って仕事をする必要がなくなる ので、無駄な移動を削減することができます。また、身体的負担が軽減でき、ワーク・ライフ・バ ランス向上に効果があります。

 営業職など、所属オフィス外での業務が多い職種にとって特に有用です。

(10)

9

サテライトオフィス勤務 (施設利用型勤務)

 所属するオフィス以外の他のオフィスや遠隔勤務用の施設を就業場所とする働き方です。例え ば、所属するオフィス以外の他のオフィスが従業員の自宅の近くにある場合、そのオフィス内にテ レワーク専用の作業スペースを設けることで、職住近接の環境を確保することができ、通勤時間も 削減することができます。また、遊休施設や空き家などを活用して行う遠隔勤務には、組織の活性 化や地方創生など、多様な期待が寄せられています。

 顧客先に近い施設の利用

顧客先に近い施設を利用することで、迅速な顧客対応、帰社などのための移動時間の削 減により、業務を効率化できます。

従業員の自宅に近い施設の利用

従業員の自宅に近い施設を利用することで、所属するオフィスまで通勤することが困難 な人材を活用できます。

遊休施設や空き家などの活用

遊休施設や空き家などを活用することで、オフィスコストを抑えることができます。

 サテライトオフィスには、以下のように、そのオフィススペースの契約形態によって分類があり ます。

専用型

 自社・自社グループ専用として利用され、従業員が営業活動で移動中、あるいは出張中 である場合などに立ち寄って就業できるオフィススペースです。事業所とは別にスペース を設置する方法と、各地の事業所内にテレワーク専用のスペースを設ける「スポットオフィ ス」が存在します。

共用型

 複数の企業がシェアして利用するオフィススペースです。最近では、「シェアオフィス」 や「コワーキングスペース」ともいい、企業や、フリーランス、起業家が一定の契約のも とにスペースを活用して仕事をしたり、情報交換やイベント開催を行ってビジネスを行う オフィスもあります。

(11)

10

テレワークではじめる働き方改革 ∼テレワークの運用・導入ガイドブック∼

 このうち、「事務職等」「営業職等」「研究職等専門職」に着目すると、いずれの職種も在宅勤務 のニーズが最も高いですが、特に事務職等は3 割弱を占めます。営業職等は相対的に、モバイルワー クのニーズが高くなっています。サテライトオフィス勤務のニーズは、事務職等、営業職等、研究 職等専門職のいずれも1 割前後です。

■ 図表Ⅰ-1-3 職種別テレワークの意向(在宅勤務/モバイルワーク/サテライトオフィス勤務)

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0(%)

23.6

全体

(n=14,880) 12.1

9.7

28.6

事務職等

(n=4,484) 12.7

10.8

20.2 営業職等

(n=3,038) 15.1

10.8

22.4 研究職等専門職

(n=6,811) 10.6

8.7

在宅勤務を行いたい モバイルワークを行いたい サテライトオフィス勤務を行いたい

(注)「テレワークは行いたくない」、「テレワークできる仕事ではない」の回答は除外している。単数回答。   事務職等=「事務・企画」

  営業職等=「営業」「サービス・販売」

  研究職等専門職= 「技術(ソフトウエア、ネットワーク、社内情報システム系)(電気、電子、機械)(素材、食品、メディカ ル)(建築、土木)」「専門職」を表す。

(12)

11

基礎編

2

1. テレワークの普及目標

 政府が定めた「世界最先端IT国家創造宣言」では、「2020年には、テレワーク導入企業を 2012年度(11.5%)比で3倍、週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を 全労働者の10%以上」となっています。

2. テレワーク導入の状況

 総務省「通信利用動向調査」(平成27年)によると、下図のとおり、年々、テレワークを導入す る企業が増加し、平成27年末では、導入率が16.2%となっています。

■ 図表Ⅰ-2-1 テレワークの導入状況

0 5 10 15 20 (%)

平成25年末 9.3

平成26年末 11.5

平成27年末

16.2

(出典)総務省「平成27年通信利用動向調査」

 また、テレワークを利用する従業員の割合は、「5%未満」が減少する一方、「10%∼ 30%未満」 は2割から3割に増加しています。

■ 図表Ⅰ-2-2 テレワークを利用する従業員の割合

0 20 40 60 80 100(%)

5%未満 5∼10%未満 10∼30%未満 30∼50%未満 50%以上

(出典)総務省「平成27年通信利用動向調査」

(13)

12

テレワークではじめる働き方改革 ∼テレワークの運用・導入ガイドブック∼

3. テレワーク人口

 平成27年「テレワーク人口実態調査」(国土交通省)によると、全労働者数に占める「週1日以 上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー」の割合は、2.7%となっています。

4. テレワーク導入のアンケート結果

 厚生労働省が連携して実施した、総務省「テレワークモデル実証事業」(平成27年度)において、「テ レワークの育児休職期間からの早期復帰に対する効果」についてアンケート調査したところ、効果 があると回答した割合は、全体ではテレワークの実施者が72.7%、上司が83.1%で、いずれも 高い割合になっています。一方、テレワークの「介護離職の回避に対する効果」も尋ねてみると、 「離職の回避に役立つと思う」と回答した割合も、同様にテレワークの実施者が79.1%、上司が

87.3%と、同様に高い割合になっており、人材確保・維持に対する効果が期待されます。

■ 図表Ⅰ-2-3 テレワークの育児休職期間からの     ■ 図表Ⅰ-2-4 テレワークの介護離職に対する効果         早期復帰に対する効果       

〈肯定(否定)〉       〈肯定(否定)

実施者 上司 実施者 上司

全体 (3.6%)72.7% (3.6%)83.1% 全体 (1.8%)79.1% (0.0%)87.3%

終日在宅勤務 (0.0%)71.8% (0.0%)66.7% 終日在宅勤務 (2.6%)84.6% (0.0%)87.5%

モバイルワーク (6.3%)71.9% (0.0%)90.5% モバイルワーク (1.6%)73.4% (0.0%)88.1%

サテライト

オフィス勤務 (0.0%)85.7% (0.0%)100.0% オフィス勤務サテライト (0.0%)100.0% (0.0%)80.0%

(注)

肯定:(「早期復帰に役立つと思う」と回答した割合)

否定:(「早期復帰に役立つとは思わない」と回答した割合)

(注)

肯定:(「離職の回避に役立つと思う」と回答した割合)

否定:(「離職の回避に役立つとは思わない」と回答した割合)

(出典)総務省「平成27年度テレワークモデル実証事業」

5.テレワークをめぐる政府の取組

 現在、テレワークは、地方創生、女性活躍等さまざまな観点から政府の政策に位置づけられており、 「ニッポン一億総活躍プラン」(H28.6.2)「世界最先端IT国家創造宣言」(H28.5.20)「経済財

(14)

13

基礎編

テレワークの効果

3

 テレワークを導入することによって、企業、従業員、ひいては社会全体にもメリットがあります。 ここでは、厚生労働省による「テレワークモデル実証事業」で行われた企業アンケート調査及び従 業員アンケート調査の結果をもとに、テレワークの効果を紹介します。

■ 図表Ⅰ-3-1 テレワークの効果

企業

(経営者・推進担当者) の感じる効果

従業員

(テレワーク実施者)

の感じる効果

優秀な人材の確保や雇用継続につながった 資料の電子化や業務改善の機会となった 通勤費やオフィス維持費などを削減できた

非常時でも事業を継続でき、早期復旧もしやすかった 顧客との連携強化、従業員の連携強化になった 離職率が改善し、従業員の定着率向上が図れた 企業のブランドやイメージを向上させることができた

効果ⅰ

効果ⅱ

効果ⅲ

効果ⅳ

効果ⅴ

効果ⅵ

効果ⅶ

家族と過ごす時間や趣味の時間が増えた 集中力が増して、仕事の効率が良くなった

自律的に仕事を進めることができる能力が強化された 職場と密に連携を図るようになり、

これまで以上に信頼感が強くなった

仕事の満足度が上がり、仕事に対する意欲が増した

効果ⅰ

効果ⅱ

効果ⅲ

効果ⅳ

効果ⅵ

1│企業にとっての効果

(1)企業の事業運営面への効果

(15)

14

テレワークではじめる働き方改革 ∼テレワークの運用・導入ガイドブック∼

■ 図表Ⅰ-3-2 テレワーク実施によって得られた/得られつつある成果(事業運営面)

人材の確保・育成

業務プロセスの革新

事業運営コストの削減

非常時の事業継続対策 における体制整備

環境負担の軽減

海外拠点の事業拡大、 連携・コミュニケーション強化

マーケティング力の強化

新規事業の開発、 新商品・新サービスの開発

企業の社会的責任活動の強化

コンプライアンスの強化

その他

0 10 20 (n=117)(%)

26.5 20.5 20.5 18.8 10.3 6.0 5.1 4.3 2.6 1.7 1.7

効果ⅲ

効果ⅳ

効果ⅴ 効果ⅱ

効果ⅰ

得られた/得られつつある成果

(出典)厚生労働省「平成26年度テレワークモデル実証事業」(企業アンケート)

i . 人材の確保・育成

(16)

15

• 

•  様々な事情を抱えた従業員に対し、キャリア継続に有効な在宅勤務という選択肢を 提供できる

• 

•  働きやすい環境をつくることで、働きたいというモチベーションの維持・向上を図 ることができる

•  産前産後休業、育児休業などからの職場復帰後や介護を要する家族がいる従業員が テレワークを計画的に利用することにより、多様な働き方ができる

 従業員が働きやすいと感じる職場は、ワーク・ライフ・バランスを重視する人材にとって魅力的 な職場と評価されるため、優秀な人材の離職防止や、新たな人材確保につながる可能性があります。

ⅱ. 業務プロセスの革新

 テレワークを行うに当たり、業務の洗い出しを行い、業務の切り分けや業務分担を明らかにしま す。その際に仕事のやり方を改めて見直すことによって、省略可能な業務の特定や、業務の進め方 や手続方法の改善ができます。

 そのほか、テレワーク実施者同士、あるいは利用者と非利用者とが円滑に仕事を進めるためには、 できるだけ社内のペーパーレス化を図り、書類や記録の電子化を進めるとともに、ネットワーク上 で情報共有を行うことが必要です。これら一連の仕事のやり方の変革が、業務プロセスの革新につ ながります。

• 

•  従業員が自律的に業務を行うといった側面とともに、従業員間の業務上の役割が明 確になり、業務分担の見直しや工程の最適化を図ることができる

• 

• ペーパーレス化や、ネットワーク上での情報共有が進み、業務の効率化につながる

ⅲ. 事業運営コストの削減

 テレワークの導入に当たってICT 環境の整備などが必要なため、初期投資は必要になりますが、 通勤費や出張費を削減できたり、オフィスにおいてフリーアドレス(固定の席を決めずに、自由に 席を選ぶことができる制度)を同時に導入することで、備品やオフィススペースなどを削減できる ため、長期的なコスト削減が可能になります。

• 

•  営業拠点の統合や廃止、スペースの縮小を図ることができる • 

•  従業員の通勤費や出張費、冷暖房や照明等のオフィス環境に係る費用を削減するこ とができる

• 

• ペーパーレス化により、コピー機及び用紙の費用を削減することができる

(17)

16

テレワークではじめる働き方改革 ∼テレワークの運用・導入ガイドブック∼

ⅳ. 非常時の事業継続性の確保

 自然災害や感染症の流行などが発生した場合でも、テレワークの活用によって事業の継続・早期 再開を行うことができます。

• 

•  災害発生時でも出勤することなく自宅で業務が可能なため、企業は事業を継続でき、 事業利益の損害を最小限にとどめることができる

• 

• 災害発生時に無理に通勤する必要がないため、従業員の生命を守ることができる • 

•  新型インフルエンザなどのパンデミック(感染症が世界的規模で流行すること)の 発生時には、他人との接触を防ぐことによって感染拡大を抑止できる

 BCP(事業継続計画)の策定・実現に関しては、非常時に速やかにテレワークが実施できるように、 平常時からテレワークを積極的に行い、テレワークという働き方に慣れておくことが重要です。

ⅴ. 企業内外の連携強化による事業競争力の向上

 コミュニケーションツール、情報共有ツールの有効利用によって、社内外の連携やマーケティン グ力が強化されるといった効果があります。

• 

•  モバイルワークやサテライトオフィスの利用によって顧客とのコミュニケーション をとる機会が増えることにより、営業効率が向上し、顧客満足度の向上につながる • 

•  情報共有ツールなどの活用によって、意思決定の迅速化や業務の「見える化」が実 現できる

Column Column

 業務の「見える化」とは、成果だけでなく、業務の進捗状況を表やグラフ等にすることで、 作業者や上司・同僚がその業務の進み具合を適宜確認できるようにすることです。

 例えば、スケジュール共有ツールなどでその日に進める業務の内容を周知する、又は作 成する資料を誰でも閲覧可能な共有ファイルに格納することで資料の作成状況を共有する などの方法があります。

 業務の「見える化」をすると、作業者は自身以外の従業員と業務の分担がしやすくなる ほか、上司が業務の進み具合を管理しやすくなるメリットがあります。

 また、業務に対する評価について、成果のみではなく、どのように業務を進めたかのプ ロセスも評価対象にすることができます。このプロセス評価は、作業者が業務に取り組ん だ労力全体の評価を受けられることから、作業に当たった従業員の仕事に対するモチベー ションが向上しやすくなったり、業務の無駄や不手際をチェックすることで次回以降の業 務の進め方が改善したりする効果があります。

(18)

17

(2)企業の雇用面への効果

 テレワークの導入によって得られた企業の雇用面の効果には、「人材の離職抑制」や「従業員のワー ク・ライフ・バランスの向上」などがあります。なお、「育児に伴う人材の離職抑制」について4 割強、「働き方変革による生産性向上」について4割弱、「従業員のワーク・ライフ・バランスの向上」、 及び「家庭の事情による人材の離職抑制」について約3割が、成果が得られた、又は得られつつあ ると回答しています。

■ 図表Ⅰ-3-3 テレワーク実施によって得られた/得られつつある成果(雇用面)

家庭で育児を担う 人材の離職抑制、

就労継続支援

働き方の変革による 生産性向上

従業員のワーク・ライフ・ バランスの向上

その他やむを得ない 家庭の事情を抱える人材の 離職抑制、就労継続支援

家庭で介護を担う人材の 離職抑制、就労継続支援

職場における コミュニケーションの活性化

採用活動における 企業ブランド・ 企業イメージの向上

遠隔地の人材の雇用

その他

10 30

0 50 (%)

(n=117)

42.7

37.6

29.1

28.2

17.9

9.4

8.5

7.7

0.9

得られた/得られつつある成果 効果ⅵ

効果ⅶ

(19)

18

テレワークではじめる働き方改革 ∼テレワークの運用・導入ガイドブック∼

ⅵ. 人材の離職抑制・就労継続支援

 様々なライフイベントがあっても、従業員にとって働きやすさを向上させるとともに、離職率の 抑制にもつながります。

• 

•  育児期間中の従業員の雇用継続

仕事と育児の心身の負担が大きく、両立ができずにキャリアをあきらめてしまう従 業員に対し、例えば週1日∼2日、子どもを保育園に預けた後、在宅勤務を実施す ることにより、就労の継続や短時間勤務からフルタイム勤務への早期復帰などを実 現することができる

• 

•  介護中の従業員の雇用継続

被介護者の食事の世話など、1日の決まった時間に介護・家事が発生するため、退 職を余儀なくされたり、長期休暇を取得せざるを得なかったりする従業員に対し、 在宅勤務を実施することで、就労の継続を実現することができる

 配偶者と共に転居する従業員の離職防止

配偶者の転勤に伴い、所属するオフィスから遠くに転居する従業員に対し、テレワー クによる遠隔勤務を実施することで離職を防止することができる

 労働意欲のある高齢者の雇用

労働意欲のある高齢者にテレワークを利用してもらうことで、通勤時間の削減など 身体的負担の少ない環境下での雇用を実現し、若手へのノウハウ継承や熟練者のス キルの有効活用につながる

 通勤が困難な従業員の雇用

能力・スキルがあり就労意欲はあるが、障がいなどにより通勤が困難な従業員の就 労を実現できる

Column Column

 A 社では、従業員のほとんどが出社せず、終日在宅勤務を行っています。中には、配偶者 の転勤に合わせて、所属するオフィスから遠く離れた場所に転居した、高い専門性を持つ技 術者もいます。

 従業員には、業務遂行が十分に可能なシステムが提供され、顧客との会議や従業員同士の 打ち合わせには、Web 会議システムを活用しています。

 一方、従業員間の対面でのコミュニケーションも大切にしており、2 か月に 1 回は全従 業員が本社に集合し、顔を合わせて会議と食事をする会を設けるなどの工夫をしています。

(20)

19

ⅶ. 企業ブランド・企業イメージの向上

 テレワークの導入は、企業が従業員を大切にし、ワーク・ライフ・バランスの実現を重要視して いるという評価につながり、企業のブランドイメージも向上します。

 また、テレワークを通じて積極的に従業員の働きやすさを向上させようとする会社の姿勢は、従 業員からの信頼感の向上にもつながります。

• 

•  社会的に「人材を大切にする企業」「働きやすい企業」としての認知度が上がり、 ブランドイメージが向上する

• 

•  従業員のモチベーションが向上することで、生産性が向上し、企業業績アップにつ ながる

• 

•  従業員の働きやすさに対する会社の積極的な姿勢が明確になることで、会社に対す るイメージや信頼感の向上につながる

work‒life

(21)

20

テレワークではじめる働き方改革 ∼テレワークの運用・導入ガイドブック∼

2│従業員にとっての効果

 テレワークを実施する従業員へのテレワークのメリットについてアンケートを実施したところ、 「電話や話し声などに邪魔されず、業務に集中できる」が約7割、「タイムマネジメントを意識する

ようになった」が6割弱、「育児との両立が可能になった」が約5割、「生産性・創造性が向上している」 及び「自律・自己管理的な働き方ができるようになった」が4割以上と、多くの方がメリットを実 感しています。

■ 図表Ⅰ-3-4 テレワークのメリット(従業員)

電話や話し声に邪魔されず、業務に集中できる

タイムマネジメントを意識するようになった

育児との両立が可能になった

生産性・創造性が向上している

自律・自己管理的な働き方ができるようになった

計画通りに業務を遂行できる

労働時間が減少した

仕事全体の満足度が上がった

伴侶の生活時間帯と合わせることが可能になった

仕事に対するモチベーション(意欲)が高まった

テレワーク導入前よりもコミュニケーションが良くなった

チームメンバーの相互信頼感が高まった

介護との両立が可能になった

(販売・営業職の場合)新規訪問件数が以前より増加した 会社に対する信頼感が高まった

0 20 40 60(n=113)80(%) 69.9 57.5 49.6 46.0 46.0 35.4 20.4 19.5 19.5 18.6 17.7 10.6 5.3 5.3 1.8

(22)

21

ⅰ. ワーク・ライフ・バランスの向上

 テレワークを利用することによって変化した労働時間やプライベートの時間をみると、「家族と 共に過ごす時間」「家事の時間」「育児の時間」については8割近く、「自己啓発の時間」について は約4割、「睡眠時間」「介護の時間」ついては3割以上が増えたという回答が得られています。

■ 図表Ⅰ-3-5 テレワーク利用によって増減した時間

家族と共に 過ごす時間 (n=97)

家事の時間 (n=103)

育児の時間 (n=69)

自己啓発の 時間 (n=91)

睡眠時間 (n=103)

介護の時間 (n=18)

増加計: 78.4%

増加計: 77.6%

増加計: 76.8%

増加計: 40.7%

増加計: 37.9%

増加計: 33.3%

1時間以上増加した 30分程度増加した 変わらない 30分程度減少した 1時間以上減少した

0% 20% 40% 60% 80% 100%

※「わからない」「該当しない」は集計から除外しています。 52.6

35.9

49.3

14.3

22.3

33.3 66.7

15.6 59.2

26.4 59.3

27.5 23.2

41.7 21.4

1.0 25.8 21.6

1.0 1.9

(注) 「わからない」「該当しない」は集計から除外している。増加計は、「1時間以上増加した」、及び「30分程度増加し た」の回答の合計

(出典)厚生労働省「平成26年度テレワークモデル実証事業」(従業員アンケート)

• 

•  通勤時の身体的負担を軽減し、自由に使える時間が増加することで、ワーク・ライ フ・バランスを向上させることができる

• 

•  生産性の向上によってプライベートの時間をきちんと確保でき、仕事と生活のメリ ハリがついた

(23)

22

テレワークではじめる働き方改革 ∼テレワークの運用・導入ガイドブック∼

ⅱ. 生産性・創造性の向上

 適正なテレワーク環境を整備することによって、従業員は業務がしやすくなります。その結果、 従業員個人の持つ能力が一層発揮され、業務の生産性や創造性が向上します。

• 

•  一人で作業するための空間をつくることで、自分自身の担当業務に集中して取り組 むことができるため、生産性・創造性が向上する

ⅲ. 自律・自己管理的な働き方

 テレワークは、上司の目が届かないところで仕事をするため、テレワーク実施者の自律性が問わ れ、自己管理できる人材が育ちます。

• 

•  目標を定めて業務進捗や業績管理を自律的に行う必要性があるため、セルフマネジ メント力が養われる

• 

•  ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、仕事と生活との切り分けやバランスを より一層意識するようになり、仕事にメリハリをつけるようになる

 テレワークを導入する際に、テレワークの実施者の要件として「一定以上の業績評価があること」、 「自律的・自己管理的に業務遂行ができる人材であること」を挙げる企業もあります。

ⅳ. 職場との連携強化

 テレワークを導入していない企業が持つテレワークに対する懸念として、「職場とのコミュニケー ション不足」が挙げられます。しかし、業務を「見える化」し、積極的にコミュニケーションをと ることで、職場との連携を強化することができます。

• 

•  意識的にコミュニケーションを図ろうとする結果、今まで以上にコミュニケーショ ンの回数が増え、上司・同僚との信頼感が高まる

• 

•  ツールを介したコミュニケーションがやり取りの気軽さを生み、コミュニケーショ ンの回数が増える

• 

•  業務を「見える化」することで、上司と部下が業務の連携を図りやすくなり、信頼 関係が向上する

(24)

23

ⅴ. 仕事全体の満足度向上・就業意欲の向上

 ワーク・ライフ・バランスを実現できることによって、仕事への充実感・満足感が向上するほか、 職場への信頼感も向上します。

 特に、就業意欲があっても十分な労働時間を確保できなかった人材にとって、柔軟な働き方がで きるテレワークは、仕事への意欲を向上させることに役立っています。

• 

•  柔軟な働き方ができるため、ワーク・ライフ・バランスを実現でき、仕事に対する 満足度が向上する

• 

•  働きたいという意欲を持ちながらも十分な労働時間を確保できなかった人材にとっ て、テレワークが労働時間の確保に役立ち、より仕事への意欲がより向上する

(25)
(26)

25

1

実践編

モデル類型とは

 第 1 章では、テレワーク導入モデルを選択し、該当するモデル類型ごとに、「テレワークを導入 する上での留意点」をご紹介し、それを踏まえ、システム方式や利用端末などの ICT システム・ツー ルを組み合わせたテレワーク環境の推奨構成を紹介します。

 是非、当てはまったモデル類型のテレワーク環境の推奨構成を参考にしてみてください。  その際、システム方式や利用端末といった ICT システム・ツールをどのように選択するかは、 導入時点の企業規模や予算のほか、導入しようとするテレワークの形態や対象者の業務特性なども 考慮して検討します。

 なお、ここで紹介する推奨構成は「在宅勤務・サテライトオフィスを導入する場合は週 1 ∼ 2 日ペース」、「モバイルワークを導入する場合は週 2 日ペース」を想定して、最初に用意するもの の構成です。

1│「テレワークモデル実証事業」の成果

 「テレワークモデル実証事業」では、企業へのヒアリング・アンケートによって、テレワークの 導入実態についてのニーズの把握・分析を踏まえた上で、テレワーク導入の類型を①テレワーク形 態、②職種、③企業規模により、8つの「モデル類型」を設定しました。そのモデル類型に当ては まる企業に「テレワークモデル実証事業」に参加していただきました。

(27)

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テレワークではじめる働き方改革 ∼テレワークの運用・導入ガイドブック∼

■ 図表Ⅱ-1-1  「平成27年度テレワークモデル実証事業」における各企業のテレワーク導入の目的、テレワーク導入に よって得られた成果

テレワーク形態・職種・

企業規模 テレワーク導入の目的

テレワーク導入によって 得られた成果

(企業の推進担当者より回答) モデル類型

在宅勤務・事務職等・

大企業/中堅企業 働き方の多様性の促進

・ 育児や介護と仕事との両立。ワーク・ライ フ・バランス向上に向けて一定の成果を 出すことができた

・ 通勤や移動の時間の削減、時間制約が あった従業員の生産性向上を図ることが できた

モデル類型 ①

在宅勤務・事務職等・ 小企業

ワーク・ライフ・バランス 向上のための

ワークスタイル改革

・ プライベートや家族との時間が増加し、 ワーク・ライフ・バランスが改善した ・業務の効率化ができた

モデル類型 ②

在宅勤務・ 研究職等専門職・ 中堅企業/小企業

ワーク・ライフ・バランス 改善と生産性向上

・ ワーク・ライフ・バランスが充実した ・長時間通勤の疲労が軽減できた ・生産性が向上した

モデル類型 ③

在宅勤務・ 研究職等専門職・ 中堅企業/小企業

多様な働き方実現、 生産性向上、パンデミック 発生時等の業務継続

・ 家事や育児にも取組む余裕が持てるよう になった

・ 集中して作業に取組みたい時に有効で あった

モデル類型 ③

モバイルワーク・ 事務職等・ 大企業

ダイバーシティ推進の ための、全従業員を 対象とした働き方改革

・ワーク・ライフ・バランスが実現できた ・ 会社へのロイヤリティや、タイムマネジ

メント意識、成果に対する意識が向上し た

モデル類型 ④

モバイルワーク・ 事務職等・ 大企業

効率性と生産性の向上を 目的とした「多様な 働き方」の実験的検証

・特に育児中の従業員の満足度が高かった ・ これまで翌日に対応していた業務を、そ

の日のうちに対応できるようになった

モデル類型 ④

モバイルワーク・ 営業職等・ 中堅企業

新たなワークスタイルを 許容できる企業文化や ビジョンの構築

社外での文書作成や会議中の議事録作成 業務について、最大30%生産性が向上し た

モデル類型 ⑤

モバイルワーク・ 営業職等・ 小企業

高いセキュリティを 維持する形での モバイルワーク確立

・業務における柔軟性が向上した ・ 隙間の時間を活用して、業務を遂行でき

るようになった

モデル類型 ⑥

サテライトオフィス

専用型 働き方の多様性促進

・ 育児や介護と仕事との両立。ワーク・ライ フ・バランス向上に向けて一定の成果を 出すことができた

・ 通勤や移動の時間の削減、時間制約が あった従業員の生産性向上を図ることが できた

モデル類型 ⑦

サテライトオフィス 共用型

事業成長の促進のための 多様な働き方(育児や介護 との両立等)の実現

・ 都会の喧騒を離れ、静かな環境での生活 をおくることが可能となった

・ 共用サテライトオフィスでの新たな交流 が生まれた

モデル類型 ⑧

※モデル類型⑦の企業は、モデル類型①と同じ企業を対象とした。

 この「モデル類型」に該当する企業に、テレワークを導入していただき、その際に、テレワーク を導入するに当たって、どのようなことに留意し、どのような ICT システム・ツールを選択すべ きかを実証しました。

(28)

27

2│モデル類型における①テレワーク形態、②職種、③企業規模

テレワーク形態は、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィス勤務の3つ

に分けています。

モデル類型に示した在宅勤務は、通勤時間を完全になくすことができる「週1∼2日出社し

ないで行う終日在宅勤務」です。「お客様との打ち合わせ後に在宅勤務」「在宅勤務後に出社」 など、1 日の一部の時間を使って行う部分在宅勤務は、通勤・移動時間を完全に削減するこ とはできませんが、無駄な移動を削減することができる効果があります。終日在宅勤務のた めの ICT 環境、セキュリティ、制度・ルールの整備を行うことができれば、部分在宅勤務 を行うことができ、働き方の選択肢が増えます。

モバイルワークは、パソコン(以下、PC)の小型化や、Wi-Fi 環境の充実とスマートフォ ンの利用者の増加等によって、導入しやすいテレワーク形態ですが、ノート PC 等の紛失や 盗難及び情報漏えいといった課題に対して、ノート PC 等の管理、情報の保護、及び物理的 なのぞき見防止などの対策を講じることが必要です。また、労働時間制度は、通常の労働時 間制度で実施する場合と、事業場外みなし労働時間制度を適用する場合があります。

サテライトオフィスは、オフィススペースの契約形態によって「専用型」(1 つの企業が専 用で利用)と「共用型」(複数企業や個人事業主がシェアして利用)に分けられます。

・ 「専用型」は、企業にとっては労働時間管理がしやすく、システムを含めたオフィス 環境が整備されていますが、サテライトオフィスの設置・運営の費用に課題がありま す。働く人にとっては、生活空間から近く、勤務時間帯と日常の私生活の区分ができ て仕事が集中できるというメリットがあります。

・ 「共用型」 は、オフィスを他企業と共用で使うため、情報管理やセキュリティ面で安 心できる事業者と契約することや、運用面で「専用型」と異なる配慮工夫が求められ ます。最近ではシェアオフィスやコワーキングスペースといい、一定の契約のもとに スペースを活用して仕事をしたり、イベントなどを開催してユーザーに付加価値を提 供するオフィスもあり、小企業では、他企業との交流によってビジネスのヒントを得 たり、ネットワーク拡大に役立ちます。

職種は、大きく3つに分けています。

事務職等:企業によって仕事の幅や裁量が異なりますが、事務職、サポート職(コールセン ター、オペレータ含む)を想定しています。事務職には一般事務、営業事務、貿易事務、秘書、 経理事務等があります。業務の洗い出しを行うと、在宅勤務で行う仕事を多く取り出すこと ができます。

(29)

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テレワークではじめる働き方改革 ∼テレワークの運用・導入ガイドブック∼

や出張から帰宅して部分在宅勤務を行うことができると、移動時間の削減ができます。

研究職等専門職:研究・開発職、デザイン・設計職、システムエンジニアなどの専門職を想 定しています。業種や業務の特徴によって異なりますが、専門スキルを活用した業務のため、 自律的・自己管理的な業務の割合が高い場合は、業務を切り出して在宅勤務を行うことで生 産性を高めることができます。一方、特定のアプリケーションやグラフィックなどを多用す る割合が高い業務や、チームメンバーと頻繁なコミュニケーションをとりながら進める業務 の割合が高い開発業務などは、在宅勤務を行うことはできますが、実施頻度に制約を受ける 場合があります。

企業規模は、3つに分けています。

  従業員数によって、分類しています。 ・ 大企業 :1,000 名以上

・ 中堅企業:100 名以上∼ 1,000 名未満 ・ 小企業 :100 名未満

(30)

29

3│モデル類型の選択

 8つのモデル類型のどれかを選択してみてください。

■ 図表Ⅱ-1-2 8つのモデル類型

事務職等

営業職等

研究職等専門職

大企業 中堅企業 小企業

事務職等

営業職等

研究職等専門職

大企業 中堅企業 小企業

専門型

共用型

大企業 中堅企業 小企業

モデル類型①

モデル類型③

モデル類型⑦

モデル類型⑧

モデル類型②

モデル類型④

参照

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